7/26(日)に上智大学でPBLプログラムの最終報告会を実施しました。
2020年度の春から始動した利他的リーダシップ育成プログラムはベーシックプログラムとPBLプログラムに分かれていますが、今回はPBLプログラムの最終報告会についてご紹介したいと思います。
(上智大学PBLプログラムについてはこちら)

 

 

A〜Cの3チームがそれぞれのゴールを目指して走ってきた約3ヶ月の成果について、各チームごとにご紹介いたします。

 

 

チームA(テーマ:SNSを通じて貧困の問題を広める)

SDGSsの17つのゴールのうち、ゴール1(貧困をなくそう)とゴール2(飢餓をゼロに)を中心テーマに据えて活動してきました。
日本人のSDGsに対する意識の低さは、そもそも貧困について認識してないが故なのではないかと考えたチームAは、InstagramやFacebook等のSNSにて情報発信活動を実施しました。

 

 

発信してきた情報内容は4つの段階に分類することができます。
①SNSユーザーにSDGsについて学ぶ機会を提供すること
②日本国内で貧困問題の解決に貢献する方法を学ぶ機会を提供すること
③貧困問題についての情報を共有し、現状について周知すること
④日本人が貧困問題を自分の問題として考え、自発的な行動を誘発すること

段階を踏んでフォロワーの方々に情報を発信することで、最終的には自発的な行動を誘発を図りました。

また、進捗報告会でのファシリテーターからのフィードバックを有効活用して、投稿内容に2つの改善を加えていました。

1つ目は、1次的な情報(生の声)を届けるということ。
キュレーションサイトのように人が集めた情報をかき集めて再発信するのではなく、自分たちが実際に体感した自分たちにしか届けられない情報を載せることで、非常に説得力のある発信をしました。

2つ目は、議論の場を提供するということ。
投稿を単なるインプットとして流し読みしてもらうだけでなく、それに対する読者同士の意見交換をしてもらうことで、問題に対する理解や関心を高めようと試みました。

 

結果として、期間中にチームAはSNSで14つの投稿をした後に実施アンケートでは、

・「貧困問題への意識が高まったか?」→13/14がYesと回答
・「相対的貧困」「チョコでできる貧困サポート」→これらの投稿に興味を抱いたというフォロワーの声
・「投稿をきっかけにチョコの購入を実際にやろうと思った」というフォロワーの声

を収集することができました。

 

 

チームB(テーマ:教育格差)

SDGSsの17つのゴールのうち、ゴール4(質の高い教育をみんなに)を中心テーマに据えて活動してきました。

チームBは自分たちで教育機関(中学校や高校)に対してワークショップを実施し世界の現状やSDGsについて周知するだけでなく参加者から自分たちも学んでいく中で、教育格差をなくしたり、なくすための情報を得たりすることがテーマに向かうための第一歩だと考えました。

まずはチームメンバーの伝手で協力依頼のできる教育機関を洗い出し、今後ワークショップの実施に向けてアプローチするために、コンテンツ開発をしている段階で一旦最終報告を迎えた形になりました。

自分たちの手でワークショップを作り出し、それをもとに教育機関に営業し、実際にワークショップを実施するというプランは、壮大なだけになかなか前に進みにくいのも事実です。

最終報告はプロジェクトの終わりではなく、単なる1つの節目です。
今後、チームBのプロジェクトがどのような形で進んでいくのか、非常に楽しみです。

 

 

チームC(テーマ:地球環境)

SDGSsの17つのゴールのうち、ゴール13(気候変動に具体的な対策を)とゴール14(海の豊かさを守ろう)、ゴール15(陸の豊かさも守ろう)を中心テーマに据えて活動してきました。

進捗報告会にて、プロギングという活動を通じて地球環境負荷の軽減に挑むことを既に決定していたチームCですが、最終報告では実際に活動した実績について共有してくれました。

プロギングとは、ゴミ袋を持参しジョギングをしながらゴミ拾いをする運動で、スウェーデン語で「集める」という意味の”plocka”と”jogging”をかけあわせた造語です。

今後は、寮生等の身近な友達だけでなく、大学全体、あるいは街全体を巻き込んだ運動にしていきたいとチームCのメンバーは話していました。

プロトタイプを素早く何度も実施し、実際に頭だけでなく足を動かし影響の輪を徐々に広げていっているチームCの今後の発展から目が離せません。

 

 

3チームの最終報告はどれも興味深く、フィールドワークとフィードバックを通じてどんどん進化していく各プロジェクトの続きが気になります。

最終報告は、プロジェクト活動の終点ではなく、単なる1つの節目です。

各プロジェクトは後期も引き続き推進されていることを期待しています。

 

(アソシエイト 新井)